太平洋地域に対する無償資金協力「早期警報システム強化計画(IOM連携)」による早期警報システム機材の引渡式

令和7年9月24日
  

  
 
 
2025年9月24日、道井緑一郎駐フィジー共和国日本国特命全権大使は、フィジー農村・海洋開発・国家災害リスク管理省の副事務次官であるミティエリ・カマ氏に対し、早期警報システムの機材を引き渡しました。本引渡式には、国際移住機関(IOM)人道支援プログラムマネジャーのハッサン・エル・マアルーフィ氏も出席しました。
 この支援は、IOMが実施する「太平洋地域における早期警報システムの強化計画」の一環であり、フィジー、パプアニューギニア、バヌアツの各国政府を対象とした地域プロジェクトです。2023年初頭、フィジーはサイクロン・ジュディおよびケビンによって甚大な被害を受け、約20万人(人口の約5分の1)が影響を受けました。重要インフラの損壊や生活基盤の混乱など、気候変動に起因する災害への脆弱性が改めて浮き彫りとなりました。
 このような背景のもと、日本政府は補正予算を通じて約150万米ドルの資金をIOMに提供し、本プロジェクトを支援しています。本事業は、国連事務総長が提唱する「すべての人に早期警報を(EW4ALL)」イニシアティブに沿って、フィジーをはじめ、パプアニューギニアおよびバヌアツにおける災害リスクの軽減と早期警報体制の強化を目的としています。
今回供与された機材には、Starlink通信機器のほか、津波避難に関する標識も含まれており、離島地域における災害対応力の向上が期待されています。Starlink通信機器は、通信インフラが限られる遠隔地において、災害発生時の迅速な情報共有や避難指示の伝達を可能にするものであり、特に準備段階や国家災害リスク管理局(NDRMO)への報告において、極めて重要な役割を果たすとされています。
 また、道井大使は式典の中で、「困難な時代だからこそ、志を同じくする国であるフィジーと日本が、これまで以上に絆を深め、共に歩んでいくことが重要である」と述べ、両国の連携強化の必要性を強調しました。